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インサイダー取引の規制内容について教えて下さい。

インサイダー取引の規制内容について教えて下さい。

弁護士の回答

インサイダー取引とは、一般の投資家が知り得ないような未公表情報に近い立場にある、一部の“インサイダー”により行われる株式等の取引をいいます。
インサイダー取引は、金融商品市場の公正・健全に対する投資家の信頼を保護し、ひいては、金融商品市場における企業の資金調達手段と投資家の資金運用手段を守る趣旨から、金融商品取引法において、原則として禁止されています。
インサイダー取引の要件は、なかなか複雑なのですが、大きく分けて下記4つの要件に分類すると理解しやすいです。

すなわち、
①上場会社等の役員や従業員等の「会社関係者」が、
②その会社の株価に重大な影響を与える「重要事実」を知り、
③その重要事実が「公表」される前に、
④「株券等の売買等」を行う
場合にインサイダー取引に該当します。
③と④に比べて、①と②の仕組みが複雑なので、以下での①と②に絞って説明します。

まず、①の「会社関係者」の典型例は、上場会社等(上場会社のみならず、その親会社や子会社まで含みます。)の役員や従業員等(取締役等の役員や正社員のみならず、契約社員やパートタイマー等非正規労働者まで幅広く含みます。)が、その職務に関して、会社の株価に重大な影響を与える事実を知った場合です。
上記以外にも、上場会社等との間で契約を締結している者や締結交渉中の者が、その契約に関して会社の株価に重大な影響を与える事実を知った場合も「会社関係者」に含まれますから、自社のみならず、他社の株式についてもインサイダー取引は成立するので注意が必要です。

次に、②の「重要事実」は大きく分けて、「決定事実」「発生事実」「決算情報」が挙げられます。

「決定事実」としては、会社が株式を新たに発行すること、他社と業務提携を行うこと、合併や会社分割を行うこと、といった上場会社の株価に重大な影響を与える事実が挙げられます。また、決定事実には、軽微基準といって、インサイダー取引に当たらないセーフハーバーが設けられていることがあります。上で挙げた新株の発行について言うと、その払込総額が1億円未満であれば、その新株発行は「重要事実」には当たらないと定められています。

「発生事実」とは、株価に影響しそうな事実のうち、会社が意図的に決定したものではない事実です。例えば、災害により損害が発生した場合や訴訟が提起されてしまった場合がこれに当たります。発生事実についても、やはり、軽微基準が定められているものがあります。

「決算情報」は、業績予想や配当予想の大幅な修正がこれに当たります。こちらについても、変動率による軽微基準が設けられています。
また、「重要事実」は、上記3つだけでなく、「その他上場会社の運営等に関して重要であり、投資判断に著しい影響を及ぼすもの」もこれに当たります(上記3種類の重要事実から外れた事実についても、インサイダー取引における「重要事実」に包括的に取り込むことから、この規制をバスケット条項といいます。)
近年は、バスケット条項を利用した当局の摘発例が増えています。

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